世界史通史学習に必要な履修時間
【世界史の通史の学習に必要な履修時間】
「世界史を古代から現代まで一通り学ぶには、どれくらいの期間が必要ですか」というご質問をいただくことがあります。
結論からいえば、必要な期間は一人一人異なります。
それまでに世界史をどの程度学習しているか、高校1年時などに学ぶ「歴史総合」をどの程度理解しているか、授業以外にどれくらい復習時間を確保できるかなどによって、必要な時間はかなり変わるためです。
ただし、学校で設定されている授業時間や、大学受験予備校・塾の講座設定、そして私自身が高校や個別指導で世界史を教えてきた経験から、おおよその目安を示すことはできます。
【学習指導要領では「世界史探究」は標準3単位】
現在の高等学校学習指導要領では、「世界史探究」の標準単位数は3単位です。
高等学校では、1単位について35単位時間の授業を行うことを標準としているため、3単位では105単位時間となります。
1単位時間を50分として計算すると、
105単位時間 × 50分 = 5,250分
となり、実際の時間に直すと約87.5時間です。
ただし、これは「87.5時間勉強すれば大学受験世界史が完成する」という意味ではありません。
学習指導要領上の「世界史探究」では、単に世界史の知識を覚えるだけでなく、資料を読み取り、歴史的事象について考察し、時期や推移、比較、相互の関連などに着目して歴史を理解していく学習が求められています。
また、この87.5時間には、大学入試で必要となる知識をさらに補充する時間や、問題演習、模擬試験の見直し、大学ごとの過去問対策などが別に設定されているわけではありません。
そのため、「学校で世界史探究を履修したこと」と、「大学受験に必要な世界史学習を完成させたこと」は、必ずしも同じではありません。
【高校では、実際にはどれくらいの時間をかける?】
私はこれまで実際に高等学校で世界史を担当してきましたが、私自身の経験から言えば、主として週4コマ程度の世界史授業を設定し、古代から現代までの通史を1年半~2年程度かけて進めるパターンが多かったように思います。1年半程度で現代史まで通史を終える場合は、かなり速いペースで進めているという感覚です。
これを、年間35週と仮定します。(実際の1年は52週ですが、学校の場合長期休暇などもあるので、通常35週で計算します。)
1コマ50分として単純計算すると、1年半であれば週4コマ × 35週 × 1.5年 = 210コマとなり、約175時間です。
これが2年間の場合には、週4コマ × 35週 × 2年 = 280コマとなり、約233時間です。
もちろん、学校の授業では、このすべてを通史の講義だけに使用するわけではありません。定期考査やその解説、問題演習、資料を用いた授業、探究的な活動、学校行事による授業時間の変更などもあります。そのため、単純に「週4コマだから週4コマすべてを通史の説明に使える」というわけではありません。
また、学校によってカリキュラムや授業進度には大きな違いがあります。現代史まで十分な時間を確保して進む学校もあれば、受験までの間に、一部の時代・地域・文化史などについて十分な説明時間を確保することが難しくなるケースもあります。
【大学受験予備校や塾では、どれくらいの時間をかける?】
大学受験予備校・塾の世界史講座を見ると、必要とされる授業時間について、もう一つの目安が見えてきます。
講座の設定方法は予備校やコースによって異なりますが、高校2年生から高校3年生まで世界史の通常講座を継続して受講する場合、合計で60講前後となる例があります。授業時間に換算すると、講座の設定によって違いはあるものの、2年間でおおむね90~130時間程度に相当します。つまり、大手の大学受験予備校でも、世界史をある程度体系的に学ぶ場合には、100時間前後、あるいはそれ以上の授業時間を設定している例があるということです。
一方で、短期講習になると授業の目的は大きく変わります。実際、古代から近現代までという非常に広い範囲を、90分×10講、合計15時間程度で扱う講座も設定されています。このような講座では、すべての歴史的事項について背景や因果関係まで同じ密度で詳しく扱うのではなく、重要なポイントや歴史の大きな流れを選びながら授業を進めることになります。実際、こうした短期講座では「重要なポイントに絞って」学習することが、講座の目的として明確に示されています。
これは、どちらの授業が良い、悪いという話ではありません。すでに世界史をある程度学習している生徒が全体像を整理したり、重要事項を短期間で確認したりするのであれば、このような授業には大きな意味があります。
反対に、世界史をほぼ初めて学ぶ生徒が、「何が起きたのか」だけでなく、「なぜそれが起こったのか」、「その前の時代とどうつながっているのか」、「同じ時期に別の地域では何が起こっていたのか」、「その出来事が、その後の歴史にどのような影響を与えたのか」というところまで理解しながら進めるのであれば、それだけ多くの時間が必要になります。
同じ「世界史の通史を扱う授業」であっても、その目的と説明の深さによって必要となる授業時間は大きく違うということです。
【「通史を終える」ことと「通史を理解する」ことは異なる】
大学受験世界史では、「いつまでに通史を終わらせるか」がよく話題になります。もちろん、早い段階で世界史全体を一度見渡すことは大切です。
しかし、「古代から現代まで一度授業を受けた」ということと、「世界史の流れを理解した」ということは、必ずしも同じではありません。
世界史は扱う範囲が非常に広い科目です。ヨーロッパ史、中国史、イスラーム史、インド史、東南アジア史、中央アジア史、アメリカ史、アフリカ史など、多くの地域の歴史を古代から現代まで扱います。
さらに、それぞれの地域が完全に独立して存在しているわけではありません。交易、戦争、宗教、民族移動、外交、技術の伝播などを通して、各地域は常につながっています。
したがって、歴史用語を順番に覚えるだけでは、世界史全体の構造はなかなか見えてきません。
【SOLIDでは、通史の「なぜ」まで説明します】
SOLIDの世界史個別指導では、その出来事がなぜ起こったのか、その前後の歴史とどのようにつながっているのかというところまで、必要に応じて説明していきます。
中国史であれば中国史だけ、ヨーロッパ史であればヨーロッパ史だけを切り離して覚えるのではなく、必要に応じて同じ時代のイスラーム世界、中央アジア、南アジアなどとの関係についても説明します。
もちろん、このような形で授業を進めれば、通史を終えるまでには相応の時間が必要になります。
しかし、世界史を「一度聞いたことのある用語の集合」にするよりも、「なぜそうなったのかを自分で説明できる歴史」として理解しておく方が、大学受験にもつながりやすいと考えています。
特に難関大学の入試では、大学によって出題形式は異なりますが、単純な用語暗記だけでは対応しにくい問題も多く見られます。正誤問題、史料問題、年代整序問題、論述問題などでは、一つひとつの知識をばらばらに覚えるのではなく、複数の知識を結び付けながら考える必要があります。
そのためSOLIDでは、通史をできるだけ速く「消化する」ことよりも、その後の問題演習で使える形で理解することを重視しています。
【SOLIDでの通史学習にかかる時間】
完全1対1の個別指導では、学校や集団授業とは時間の使い方がかなり異なります。
これまでSOLIDでは、ほぼ世界史を初めて学ぶ高校生に対しては、主に『詳説世界史ノート』(山川出版社)などを使用しながら、古代から現代までの通史を進めています。(一部の、世界史を学ぶ前提がある程度身についている生徒については、独自教材なども使用するケースがあります。)
実際の指導例では、1回2時間・月4回程度の授業で、1年強で古代から現代までひと通り終えるくらいが一般的です。
この場合、「1年強」を13~15か月程度とすると、月8時間 × 13~15か月となるため、総授業時間はおよそ104~120時間となります。
また、この時間には通史の講義だけではなく、途中で行った学校の定期考査対策や模擬試験の見直し・解説なども含まれています。
少し時間をかけた例としては、1回1時間30分・月4回程度で2年弱ほどをかけてじっくり進めたこともありました。
この場合、2年弱を21~23か月程度とすると、月6時間 × 21~23か月となるため、総授業時間は約126~138時間です。
高校や一般的な予備校の例などとあわせて整理すると、
・学習指導要領上の世界史探究
標準3単位=105単位時間=約87.5時間
・高校で週4コマ、1年半履修した場合
約210コマ=約175時間
・高校で週4コマ、2年間履修した場合
約280コマ=約233時間
・大学受験予備校で高2~高3の通常講座を継続した一例
合計60講前後=おおむね約90~130時間程度
・SOLIDで1回2時間・月4回、1年強の場合
おおむね約104~120時間程度
・SOLIDで1回1時間30分・月4回、2年弱の場合
おおむね約126~138時間程度
となります。
こうして見ると、SOLIDでほぼ初学の状態から通史を詳しく学ぶ場合に100時間を超える授業時間を必要とすることは、特別に長いものではありません。
大学受験予備校でも、高校2年生から高校3年生まで継続して世界史を学べば、100時間前後あるいはそれ以上になる講座設定があります。
世界史という科目そのものが、それだけ多くの内容を含んでいるということです。
【時間数だけを単純に比較することはできません】
ただし、ここまで挙げた時間数を、そのまま横に並べて優劣を比較することはできません。それぞれの授業の目的が違うためです。
学校の授業には、定期考査、評価、資料を用いた学習、探究活動などが含まれます。
大学受験予備校の通常講座では、大学入試を意識して重要事項を体系的・効率的に整理することが重視されます。
短期講習であれば、さらに範囲を絞り込み、重要事項を短時間で確認するという役割があります。
一方、SOLIDの場合は完全1対1の個別指導です。
そのため、
すでに十分理解できている部分は速く進む
理解が不十分なところは時間をかける
学校で十分に説明されていない箇所は補う
志望大学で特に重要になる内容には、さらに踏み込んで説明する
といった調整ができます。
授業時間を長くすることそのものが目的なのではありません。
一人一人に必要なところへ必要なだけ時間を使えることが、完全個別指導の大きな特徴です。
【必要な時間は一人一人違います】
世界史の通史を終えるまでの時間は、授業時間だけで決まるものではありません。
たとえば、高校1年時に通常は履修する「歴史総合」の理解度なども影響します。現在の「世界史探究」は、「歴史総合」で学んだ内容を基礎として、世界の歴史をさらに詳しく学んでいく科目です。そのため、歴史総合で近現代史の基本的な流れをしっかり理解できている生徒であれば、世界史探究の近現代史を比較的速く進められる場合があります。
また、
・世界史をすでにどの程度学習しているか
・地理的な位置関係をどの程度理解しているか
・政治制度についての基礎知識があるか
・経済についての基本的な仕組みを理解しているか
・歴史用語を覚えることに慣れているか
・授業後にどの程度復習できるか
などによっても進度は変わります。
例えば、ヨーロッパ諸国や中東・中央アジアの位置関係がある程度頭に入っている生徒と、毎回地図から確認する必要がある生徒とでは、同じ内容を説明する場合でも必要となる時間は異なります。
SOLIDでは、「何月までに教科書を終える」ということだけを優先するのではなく、現在の理解度と受験までに残された時間を見ながら、必要な箇所には時間をかけ、すでに理解できているところは速く進めます。
【必要に応じた受講の仕方が可能です】
世界史の授業というと、「古代オリエントから現代まで、すべてを最初から受講しなければならない」と思われるかもしれません。
SOLIDでは、その必要はありません。
例えば、
・学校で十分に扱わなかった時代だけを補強する
・近現代史だけを詳しく学ぶ
・中国史やイスラーム史など苦手な地域だけを学び直す
・文化史をまとめて整理する
・学校の授業で理解できなかった単元だけ説明を受ける
・学校の授業より少し先に進み、予習として利用する
といった受講方法も可能です。
学校の世界史授業を中心に学習を進め、学校では十分に理解できなかった部分だけSOLIDで補うという利用方法でも構いません。
完全個別指導ですので、「全員が古代オリエントから同じ教材、同じペースで始める」という授業ではありません。
現在必要としているところから授業を始めることができます。
【大学受験を考えるなら、いつから世界史を始める?】
大学受験で世界史を利用する場合、通史を終えた時点で世界史学習が完成するわけではありません。
通史を一通り理解した後には、
・問題演習
・模擬試験の見直し
・知識の抜けの確認
・苦手分野の補強
・テーマ史・文化史の整理
・志望大学の過去問演習
・論述問題の演習と添削
などを進める必要があります。
特に難関大学を目指す場合には、通史を一度学んだだけで入試問題が解けるようになるわけではありません。
問題演習を通じて、覚えた知識を実際に使える状態へと変えていく時間が必要です。
そのためSOLIDでは、通史終了後の問題演習や過去問対策に十分な時間を確保するという意味でも、高校2年生の早い段階から本格的に世界史学習を始めることをひとつの理想と考えています。
早めに通史を進めておけば、高校3年生になってから問題演習や志望大学別対策に多くの時間を使うことができます。
【高校2年生後半や高校3年生からでも対応できます】
もっとも、高校2年生の後半から始めたら遅すぎるということではありません。
それまでの学習状況や授業時間、自宅で確保できる学習時間などによっては、高校2年生後半から、あるいは高校3年生になる頃から通史の解説を始めても、大学受験に対応できるケースはあります。
世界史の学習経験がある程度あり、歴史総合の理解もしっかりしている場合には、説明を速く進められることもあります。
反対に、世界史をほとんど学んだことがない場合には、同じ開始時期であっても時間を多く必要とします。
大切なことは、「現在どこまで理解しているのか」、「志望大学ではどのような問題が出題されるのか」、「受験まであとどれくらい時間があるのか」などを確認した上で、残された時間をどのように使うかを考えることです。
【高校3年生後半からの場合】
一方、高校3年生の後半になってから、古代オリエントから現代史までを一から詳しく学習するという授業計画は、大学受験を考えた場合には現実的ではありません。
この時期になると、大学入試までに残されている時間そのものが少なくなります。
したがって、ある程度の世界史の基礎知識があることを前提として、
・特に理解が弱い時代・地域の補強
・問題演習とその解説
・模擬試験の見直し
・文化史やテーマ史の整理
・志望大学の過去問対策
・論述問題の添削
などを優先する方が現実的です。
高校3年生後半からの場合には、「世界史を最初から全部やり直す」という発想ではなく、現在の得点状況と知識の抜け、志望大学の出題傾向を確認し、残された時間の中で何を優先すべきかを考えます。
受験までの時間が短いからこそ、一人一人の状況に合わせて授業内容を絞り込むことが重要になります。
【SOLIDの自由な授業設定を利用して、ご自身に合った世界史学習を】
世界史の通史学習に必要な時間は、一人一人異なります。
SOLIDは完全1対1の個別指導ですので、授業の進め方を一律に決める必要がありません。
例えば、
・古代から現代まで通史をじっくり学ぶ
・学校の進度に合わせて予習・復習を進める
・学校で十分に扱われなかった時代だけを補う
・中国史やイスラーム史など、苦手な地域だけを重点的に学ぶ
・近現代史や文化史だけをまとめて学ぶ
・通史はすでに終えて、問題演習や過去問対策を中心に進める
といった授業設定が可能です。
授業時間についても、1回1時間30分で長期間かけて進める方法もあれば、1回2時間で通史を比較的速く進める方法もあります。受験までの時間が限られている場合には、扱う内容を絞り、優先順位をつけながら授業を組み立てることもできます。
大切なことは、「何か月で通史を終えるのが正しいか」という一つの答えに合わせることではありません。
現在どこまで理解しているのか。
どの部分に説明が必要なのか。
志望大学ではどのような力が求められるのか。
受験までにどれくらい時間が残されているのか。
こうした条件は、一人一人異なります。
SOLIDでは、すでに理解できているところを必要以上に繰り返すことはせず、反対に、背景や因果関係まで理解しておいた方がよい部分にはしっかり時間をかけます。
通史を一から学びたい方も、学校の授業を補いたい方も、苦手分野だけを学び直したい方も、入試問題の演習に集中したい方も、それぞれの状況に合わせた授業設定が可能です。
完全1対1だからこそできる自由な授業設定を利用して、ご自身の現在の学習状況と受験までの時間に合った世界史学習を組み立てていただければと思います。
